[2012-2013]Young Justice: Invasion

日本語タイトル

ヤング・ジャスティス:インベージョン(シーズン2)

出演回

S02E01「Happy New Year 5年後…」
S02E03「Alienated 孤立」
S02E11「Cornered ホール・オブ・ジャスティスの戦い」
S02E15「War ウォーワールド」
S02E16「Complications 取り戻した心」
S02E20「Endgame 最後のゲーム」

役名

Captain Atom (キャプテン・アトム)

全身銀色ムキムキで手足と胸が赤い男…。でも凛々しくてハンサム。

Young Justice: Invasion [Blu-ray]

昔からアニメの『Justice League(ジャスティス・リーグ)』とか『Batman: The Brave and the Bold(バットマン:ブレイブ&ボールド)』『The Zeta Project』でも声優やってますが、これもそのシリーズ(らしい)。アメコミっていろんな人が描いていて複数作品がクロスオーバーもしてるから、キャラ設定も大まかにはあるけど、作品によって変わってたりで、調べているうち別の話に迷い込んだりしてわけ分かりません。とりあえず今まではスポット出演だったけど、今回はシーズンの半分くらい出てるらしい。

てことで彼の出てるシーズン2『Invasion』だけ北米版Blu-rayを買いました。後から出たBlu-rayの方だと2枚組で全シーズン入ってますが、DVDはパート1,2で別売りなので注意。英語字幕(SDH)はついてました。

そして頭が燃えてるDormammu様はMarvelだけど、こちらはDC Comicsで、この二社がアメコミ2大出版社なんだって。日本でいうと集英社と小学館と講談社って感じ?って3つ挙げてるし。ということで、ゲームの声に続いて、今回のキャラはムキムキ銀タイツ男のCaptain Atomですよ。実写じゃなくてよかったね。Michael T. Weissのファンになったおかげでアメコミも詳しくなりそうよ。傍から見たら私も、声優目当てにアニメを見てる、しかも海外から取り寄せてるって、ヘビーな声オタってやつじゃないですか。ハハハ…。

彼はドラマがヒットしてた頃からたびたびアニメやゲームの声も並行してやってたから、アメリカではその辺の地位がどうなってるのか分かりませんが、エージェントも俳優の方と声優と別れてて、両方所属してるんだよね。アニメの声ばかり聞いてると彼の本業忘れそうですけど、い、一応、テレビ&ハリウッド俳優だったはず。とアピールしておこう。最近仕事してないけど。

ちなみに私の見てないシーズン1には『The Equalizer(ザ・シークレット・ハンター)』でMickey Kostmayerを演じてたKeith Szarabajkaも声優で出てるようです。IMDb見ると彼もテレビと映画出つつアニメとゲームの声もたくさんやってるね。

The Justice League always supports peaceful diplomacy.

最初にDVDゲットした時はCaptain Atomが喋ってるとこだけ見て、彼の声だけ録音したのでストーリーも台詞の固有名詞とかも全然分かってませんでしたが、Dormammu様に続いて私の頭がアニメモードになってるうちにってことで、今回これ書くために初めて全部見ました。おい。1話約21分×20話で合計7時間くらいの話なのでサクサク見られますが、キャラクターが覚え切れません…。

昔の『Justice League』『Batman: The Brave and the Bold』は彼の出演回だけ見たのでキャラクターたちを覚えるとこまで行かなくて、私が知ってたのは実写映画化されてるBatmanとSupermanくらいだったのに、こっちだと指名手配されて途中から彼ら両方とも捕まってるし。→彼らはJustice Leagueのメンバーで、Young Justiceじゃないらしい。アダルトチームってことか?前作最後のエピソードらしい16時間の空白の間に彼ら含む6人が操られて何かやらかしたらしくて最後までずっと捕まってます。ほとんど出番なし。

なので今回初めて見るキャラばかりです。クロスオーバーなので元のキャラにそれぞれ設定があるけど、それはみんな知ってるはずって前提で始まってるんでしょうか。シーズン1でちゃんと説明あったのかもしれないけど、一応、主要キャラ説明も兼ねてか、最初の頃は数人ずつのチームで各地域でエイリアンを倒す話が続いて、それぞれの特徴は描かれてましたが、他にもJustice Leagueの方の捕まってないメンバー(たぶん)とか、これ誰?なキャラが何人もいる。

ただでさえ人間から変身したりマスクしたり姿が変わったり、Wonder GirlことCassieみたいに本名とキャラ名あるのに、未来から来た孫とか子とか、クローンとかも出てきて襲名するから更に混乱するし。それでもメインは格好で大体覚えたけど。SupermanじゃなくてSuperboyが出てきてたり、 Wonder Womanの代わりに Wonder Girlとか、なんとなくヤングの意味も分かってきた。

ただ誰と誰が恋人同士とか、親子とか、姉弟とか、家族のシーンとか、ちょっとしたエピソードもあったものの、ほとんどのキャラの私生活はそこまで詳しくは出てこない。

Captain Atom: The Fall and Rise of Captain Atom彼が声あててるCaptain Atomもwikipediaとか見ると、本名はNathaniel Adams(=アニメ版。コミック版だとsがつかないNathaniel Adam。ナサニエル・アダム)で元軍人で、冤罪で捕まって死刑の代わりに軍の機密実験に参加して全身銀タイツ化して、公式には自殺したことになってて嫁は無実を信じつつ別の男と再婚したとかひでー設定らしいですが(個人的には不幸設定大好きなのでそっちのシリアスな話が見たい…)、そんな影の部分は見せずに普通に若手に指示出してます。けどヤングのリーダーはRobinってやつらしくてこっちが現場仕切ってる。立ち位置分からん。

Captain Atomはバリア破ろうとしてたり、地球を襲うミサイル追撃してたり、いざという時に表に出てくるし、敵キャラThe ReachのAmbassador(大使)と国連で会合したりマスコミの前で発表してたり、Warworldにも交渉呼び掛けてるし、最後もLex Luthorの意見に従って地球救うためにチームに指示してたり、決めるところは決めてるものの、逆を言えばそういう時しか出てこない。→最後に別の人にchairmanshipを譲るって言ってたからchairmanだったらしい。

彼が喋ってるところはトータルで5分もないけど(測ってるのかって?、勿論そこだけ編集してリピートしてるから…)、でも出番少なくても声だけでもカッコイイ。低くて渋くて彼の声は素敵です。悪役の大仰な口調もいいけど、今回は正義のヒーローなので凛々しい口調でしびれます。まあ言ってる内容は、カブトムシ型兵士やドローンがどうしたとか、地球の平和を守るには鍵が必要だとかだったりするけど…。笑。そんなんでも深刻なトーンで言われたらこっちも真面目に聞いちゃうわ。

 
Attention Warworld, this is Captain Atom of the Justice League, representing the Planet Earth.
We wish to open negotiations.

地球代表してWarworld(のMongul)に交渉要求するCaptain Atom。カッコイイ。興味なしって拒否されてたけど…。

So the priority is making sure no one uses it to reactivate the Warworld.
Captain Marvel and Rocket are already guarding the key chamber.
And the Justice League will continue guarding it in shifts until the key is found and the threat is ended.

そしてみんなでMongulを倒し、Warworldを封じようと指示を出す。カッコいい。

Every single Magnetic Field Disrupter must be disabled before they chrysalis to guarantee Earth’s safety.
Each MFD is protected by multiple beetle tech drones, And each drone is the equivalent of a beetle warrior.
Blue Beetle has located 20 MFDs around the world. There’s 40 of us assembled here, so you’ll be in squads of two.

最後も、世界20ヶ所に点在するカブトムシ型ドローンの中の磁場妨害装置(直訳)を無効にして地球を守るため、Captain Atomは2人ずつのチームになってウイルス入りの卵を設置するよう、みんなに指示出してます。カッコイイ。←そればっかり言ってる。

 
悪役も最初はKroloteansってエイリアンたちが悪さしてたのに、話が進むごとに実はAqualadって裏切り者と父親Black Mantaたちが裏にいて、彼らはVandal Savageってやつらとつるんでたり、更に友好的な態度しつつ地球征服企んでるThe Reachって種族のAmbassadorとも裏ではつるんでて、更にこいつと大企業のお偉いさんLex Luthorが人間添加物入りの中毒性あるReachドリンク売り出してたり、scarab(昆虫)に操られたBlack BeetleってやつとかMongulってやつとかロボットなんかも出てくるし、ラスボスっぽいQueen Beeってのもいたり――的にどんどん増えてくし、一部はThe Lightって悪の組織のメンバー同士らしいけど、レベルアップ系の話じゃないので途中で倒さず並列して出てきてて、実はこいつはスパイだったとか反目し合うとか風呂敷広げつつわらわら増え続けてます。もうこれ最後に仲間割れするやつじゃん!て案の定。

 
ストーリーはざっくり言うと、前作の5年後から始まって、ヤングチームが侵略者たちと戦いつつ恋愛したり、敵と思ったら内偵してた味方とか、味方と思ったら違ってたとか、死んだと思ったら生きてたとか、裏切りとか復讐とか、子連れバトルとか、個人行動取ってチームをリストラされるとか、いろいろある話です。裁判中の6人は最後に無罪で解放される一方、悪党たちがWarworldって人工衛星接近させてミサイル発射したり、地球の磁場をおかしくさせて自然災害引き起こすけど、チームは犠牲も出しつつそれを妨害して止めて平和が戻ると。

AqualadはYoungチームに戻り、Lex Luthorも土壇場で敵の攻撃を無効化するanti-Reach softwareなんてウィルスを渡してチーム側について、Ambassadorたちはバイバイキーン的に地球から撤退するものの、Vandal SavageとMongulは「Business as usual」とか言ってていつも通りまた次の機会をうかがうぞ、的な。年齢制限ないってか子供向けのアニメなので、ほとんど死なないし血も全然ぐろくない最後です。

And on that note, I officially hand over my chairmanship of the League to you.

Captain AtomはBlack Canaryに自分の地位を譲り、他のメンバーもリーダー任命されたり再編されつつ終わり。しかしアメドラもだけど、最後Business as usualで無理やり締めるの多すぎです。

アサミさんと仲間たちの日本語コーナー

Jaimeの友達Tyeたちと共にエイリアンにさらわれてジュースにされそうになったところを助けられたものの、特殊能力を身につけて施設でモルモットにされていて逃亡した(なんだよこの説明…。)うちの一人として日本人の女の子Asami Koizumi(愛称Sam)が出てきます。彼女は目の色が左右違ってます。二回しか出てこない人間キャラなわけですが、日本語喋ってます。特に一回目の登場『S02E14 Runaways』の時。施設の研究者とかジュース会社のお偉いさんも、「もうおしまい。おやすみなさいアサミさん」とか「君の力になりたいんだ」とか、日本語で話しかけてるし。

まず彼女の声あててるのは日系アメリカ人のJanice Kawayeさんで普通に上手いです。このアニメはBeast Boyが「noted」、Impulseが「crash」多用とか、悪役も「meat」連呼の奴がいたり、キャラに口癖言わせるパターンがあるようで、アサミさんも「すみません」連呼してたり「どうも」もよく言ってます。その際もちゃんと日本人発音的(ってより東京弁?)な「どーも」「すいません」になってます。

アメドラでたまにある「字幕に[speaking Japanese]って書いてあるのに何言ってんだかさっぱり分からん、もう英語字幕つけてよ!」って日本人役と比較したら、彼女も周りの人も普通に聞き取れるレベルでやっぱ声優さんたちは上手いよね。

なのに、たまに会話が噛み合ってなくて、「ん?」て止まる。

・逃げようとして警備の怖いおじさんたちが駆けつけるのを見て、仲間を振り返って
– すいません

・車が来たのを指さして
– すいません

・逃げる時にドア開けて
– すいません
– Sam, you’re genius.
– すいません
– Never mind. Let’s go.

君って天才!って言われて何故謝る。気にすんなって返してるし。英語も謎。

・施設に敵ロボが来て、残された人たちを彼女が助ける場面で
– Wait, asami. Mi hijo. My son。
– どういたしまして、じゃあちょっとすいません

(Mi hijoはスペイン語で私の息子。施設の人はヒスパニック系の設定ってことだね)
息子を助けてって言ってんのに、どういたしまして???

「ごめん」も「ありがとう」も全部「すみません」で済ませるパターンを拡大しすぎてこうなってるのか、口癖として「すみません」連呼させてるから故意に変になってるのかもしれないけど、でもそれ以外も微妙にずれてるのね。

そして彼女は、メンバー救助に行けって言われて特攻する意味でカミカゼ言ってたし、パワー出す前に拝む。典型的。というわけで彼女の回はCaptain Atomも出てこないしーって流し見する気でいたら、ヘンで面白い回でした。

※このアニメは日本でも吹替え?で公開されてるらしいけど、日本語版だとどうなってるんでしょうね。

ついでに日米アニメ比較?

先日、日本の大手食品メーカーのアニメ化作品で、実写を元にしたキャラクターの肌の色が白すぎるって炎上してたニュースがありましたが、それを意識して見てみると、確かにこのアニメはポリコレ最先端のアメリカ作品だけあって人種設定細かいです。Captain Atomは銀色だし、他にも緑色の肌のやつとか、エイリアンとか化け物も出てくるものの、人間に関しては人種で骨格や肌の色・目の色・髪色描き分けされてます。演説を見てるモブキャラみたいなのも人種分けされてる。

一方で、日本のアニメが凝る部分の髪型とかファッション、表情の繊細さはないので、人間姿だと見分けつかなくなったりって点もあります。金髪の白人大人男キャラは大体短髪でごつい四角い顔しててみんな同じに見えるし…。女の子たちも髪型違うけどみんな巨乳でスリムでムチムチの同じ体系。目は瞳の色が違うけど描き方一緒だし。

アメコミは実写を元にしてるそうなので、リアリティを追及…にしては、スタイル良すぎるので、基本的に人種・性別・世代ごとに人物パターンあって、色で描き分けしてるだけのような。これモノクロ漫画だとさっぱり分からなくなりそう、と思ってアメコミがカラーな理由が分かったよ。

絵だけでなく設定も、後半メインで出てたBlue Beetleが人間の時はJaimeでハイメって呼ばれてて、たまにスペイン語喋ってるシーンがあって自宅はエルパソだとか、肌が黒くてドレッドヘアの子とかいたり、人種やルーツはバラバラ。

他キャラの喋りもラテン系とかスパニッシュとかイギリスアクセントとか飛び交ってるし、エイリアンや異国の研究者が異国語やエイリアン語を喋ってて言葉が通じなくて、トランスレーターとかテレパシーみたいので理解できるようになるみたいな設定あったり、上でツッコミ入れた日本人の子とのやり取りでは周りも片言日本語喋ってたり、異文化への理解的なものも盛り込んである。他の仲間も「Yo tambien」とかスペイン語混ぜて話してたりするし。字幕なしでテレビで見てるアメリカの子たちは理解できてるんでしょうか。

(アクセントや言語でキャラ付けしてるのは、英語だと日本みたいに僕・俺・私・アタシ・ワシ…みたいな役割語で区別できないからって面もある。口癖設定するのもそう)

また家出しようとしてエイリアンにさらわれてたJaimeの友達Tyeは長髪で片親でママの彼氏が荒くれ男とか、おじいちゃんがネイティブアメリカンとか、パワー使う時におじいちゃんの言いつけ思い出すとか、これもこれで典型的な。他のメンバーもそれぞれ別ルーツ持ってて、家庭環境に問題あって家出しようとしてたエピソードあったし、そういうディープな社会問題織り込んだ描き分けは日本より細かい。

昨今のアメリカは、フィクション中の男女比・人種比から、役割や台詞の内容まで統計取って偏ってると突っ込まれるそうなので(女キャラ増やしても、サポート役ばかりだと駄目とか)バランス取りつついろんな人を出さないといけない面もあるんでしょう。

でもキャラ同士の恋愛も何組かあったけど、ほぼ同人種同士のカップルばかりなところはある意味リアルと思ったり。緑同士のカップルはハンサムに乗り換えられてましたが…。その恋愛シーンも葛藤や悩んでるのはあっても、日本の恋愛物みたいに片思いして物陰から見てるとかもない。みんなの前でキスしてたりいちゃいちゃしてたりするし。更に結婚してたり子供出来てるし。ただ子供向けだからか数年前の作品だからか、LGBTキャラは見ていた中では出てこなかった。(※2016年に出たDC Rebirthってコミック版だとAqualadってキャラがJackson Hydeって名前に改名してゲイになってるらしい)

そしてアメリカの現実には必ずついて回る人種差別の話もこのアニメでは出てこなかったものの、代わりにGBSの(誤字ではないよ)ニュースキャスターはエイリアンとの友好に懐疑的なスタンスでJustice Leagueのメンバーのことも警戒してるけど、それゆえにThe ReachのAmbassadorの嘘を見破った――ってのはありました。

 
こういうのと比較すると、日本のアニメって確かに人種の描き分けには疎くて、肌色もこだわってないから、「日本のアニメは白人ばかり」とか言われたり「配慮がない」って炎上するのも分かる。

実際のところは、そもそも現時点の日本ではアジアン9割超えでほぼ同人種の環境なので人種を意識することがあまりなくて、みんな同じ=同じ色で塗ってるだけなんでしょう。白人キャラが出る時は更にもっと白いしさ。キャラの性格は日本のアニメは典型的な日本人だらけだしさ。

そこを無配慮と取るか、日本の現状に即した対応と取るかは微妙なところ。アメリカ並みに多人種にしたら『日本じゃない』世界・話になっちゃうからそのまま真似できない面もあるし。まあ将来的には変わってくかもしれないけども。

一方で日本は人種で描き分けしない代わり、キャラの属性や見た目・喋り方で区別してる。そっちは逆にアメリカアニメよりバリエーションあって、こんなやつ現実にいねーよってフィクション全開な部分でもあったりする。青とかピンクの髪色とか。それに日本の方が可愛い男の子とか弱い子とか性格の多様性はある。そういう点は日本の方が進んでるともいえる。

とは言うものの、グローバル化して日本のアニメも海外で広く見られてる昨今ですから、世界的な配慮も必要であろうとは思います。アメコミの人種人権への配慮+日本アニメの繊細さとかバリエーションがあれば、キャラがたくさん出てきてても、私みたいに役者の声目当てで見るような初心者にも優しいのではと。

なんて。Captain Atomの出番があまりなかったせいでよそ見ばかりしてたので、真面目に語ってみた。悲しい…。キャプテン戻ってきてー!

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