[2001] The Pretender: Island of the Haunted

日本語タイトル

ザ・プリテンダー 孤島の謎

役名

Jarod(ジャロッド)

If you change the story, the ending is up to you.

テレビシリーズ終了後のテレビ映画版part2です。これでシリーズ最後です(→のちに小説版が出ます)。これも当時、日本のケーブルテレビで放映されたそうですが、私は北米版DVDを取り寄せて見ました。英語版で見ているので固有名詞等は全部英語に統一してます。

The Pretender: Island of the Haunted

Pretender: 2001 & Pretender - Island of the Haunt [DVD] [Import]

The Centreの地下。The Triumvirateの一人Adamaが箱を空けると中の巻物が消えているところから物語は始まります。Mr.Parkerは昏睡状態で娘が見せる写真にも反応しません。一方でJarodは前回送られてきた写真の背景の文様を手掛かりに、母が青い箱を持っていった場所、向かった島へと辿り着きます。

Miss Parkerは自分の血を採って父との関係を検査しようとしてます。そしてAngeloを使って突き止めた島へとやってきます。大嵐がやってきて島民たちは避難している中、彼女は少女に導かれてチャペルへ。Miss Parkerを見て驚いて逃げていく怪我したJarodの母。そして何者かに襲われるMiss Parker。盲目の老婆Oceeの言葉でそこへやって来るJarod。彼はMiss Parkerを説得し母を追いかけますが、彼女は既に最後のボートで避難して行ってしまいます。消えて行くボートを見送るだけで、またもや会えないまま。

嵐の中、島に閉じ込められたJarodとMiss Parkerに、OceeはJarodの母が巻物を探して島へ来たことを告げます。Miss Parkerは自分が見た少女の話をしますが、島には少女はいないと言われます。しかし彼女は少女に導かれて再びチャペルへ。Jarodの母が持っていた箱に入っていたはずの人形を発見します。Jarodはここで墓守の家族が殺された話を伝えます。その後も少女に呼ばれるMiss Parker。大雨の中、殺された家族の墓に辿り着き。墓石に刻まれているのは『Parker』の文字。墓に眠るのは自分の先祖だと知ります。

Oceeの家へ戻り、彼女に言われてJarodがMiss Parkerへお茶を持っていくと着替え中。目のやり場に困ってます。暖炉の前で二人で子供時代の話をしているうちに怪しい雰囲気になってキスしかけたところでOceeが来て未遂。(当時、このシーンのスチールが予告で公開されて、いよいよ二人がくっつくのかと騒がれてました。)

Oceeの部屋で少女の絵を見つけるMiss Parker。自分が会ったのはこの少女だと言うと、この子は墓守の娘でLittle Parker、100年前に死んでいると聞かされます。一方でThe CentreのSydneyとBrootsはMr.ParkerにAbel Parkerという兄弟がいたことを記すファイルを発見しています。そしてAbelは養子に出され、Rainsという名前になっていたことも。つまりMr.ParkerとMr.Rainsは兄弟です。

JarodとMiss Parkerが巻物を発見したとこで、奪おうとした修道士(序盤のチャペルでJarod母やMiss Parkerを襲った犯人)は、やってきたMr.Parkerに撃たれます。父は意識を取り戻していて、Mr.RainsとMr.Lyleも共にいます。みんな家族です…。

冒頭に出てきたAdamaの空の箱に収められた巻物と、捕まったJarodは、Mr.Parkerたちと共にアフリカのThe Triumvirateの元へ飛行機で送られることになります。二人きりの車の中でJarodの説得を振り切って「あなたの想像していた終わり方じゃなくて済まないけど」みたいなことを言っていたMiss Parkerに、Jarodはこう告げて連行されてます。

That’s the wonderful thing about life, Miss Parker.
If you change the story, the ending is up to you.

組織に従おうとしているMiss Parkerに対して「もし君が人生を変えたいなら、自分次第だよ」みたいなこと言ってます。上手く訳せませんけど、ここ決め台詞です。けど説教臭いよね。

さて、Miss Parkerに電話してきたSydneyとBrootsは、検査の結果Mr.Parkerは無精子症の可能性が高く子供ができないはずということ、彼女とMr.Parkerの関係はおじと姪の関係であろうこと、Mr.ParkerとMr.Rainsが兄弟であったことを伝えてます。つまり本当の父親はMr.Rainsだと。それを聞いて飛行機に飛び乗る彼女。Mr.ParkerとMr.Rainsの二人にどちらが実の父親か問い詰めてます…。

その後、巻物を監視するMr.Parkerに中身を見たくないかとJarodがそそのかし、Mr.RainsとMr.LyleはAdamaと操縦士たちを殺しハイジャックしてます。欲に勝てなくなったMr.Parkerはパラシュートを背負って、巻物と共に飛行機の外へ消えていきます。そのせいで気圧が下がって操縦不能になりかけた飛行機をJarodが操縦し、なんとか空港へ辿り着いたところで彼も消えて――

The Centreに戻ったMiss Parkerたちの前に現れたMr.RainsとMr.Lyle。親指を立ててみせると、Mr.Lyleが奪った親指が再びMr.Rainsの元へ。Mr.Lyleは親指なしに戻ってます。返したのはMr.Rainsへの忠誠心の証だそうな。(物語中では触れられてませんでしたけど、Miss Parkerの父親がMr.Rainsってことは、双子の弟のMr.Lyleの父親もMr.Rainsなわけで…。母Catherineは浮気したのかとか、S04E09でBrigitteが産んだ男の子の父親は誰だったのかという疑問も生まれるし…。もう無茶苦茶…。)

最後、逃げたJarodとMiss Parkerが電話してます。

You run. I chase.

追う者と追われる者。これまでと変わらない関係は続きます。
そして、海岸に打ち上げられている巻物には、The CentreとJarodの関係を予言する内容が書かれていて――終わり。

The Centre shall rise. The Chosen will be found… a boy named…Jarod.

  

テレビと映画合わせた『The Pretender』シリーズはこれで終わりです。The CentreこそがParker一族の系譜であり、Jarodの存在も予言されていたものだったと。これがThe CentreがJarodを追い続ける理由でもあるんでしょう。そしてS04E12のところで登場人物たちのルーツと宗教について触れましたが、この物語はJarodの家族を探す話であると共に、Parker一族のルーツを探す話でもあったと。

その後…

前のページでも書きましたが、これと前作の映画版が放映された当時はJarodのビジュアルの変わり様を散々指摘されてました。笑。日本でもケーブルテレビで放映された当時、Yahoo!掲示板のドラマカテゴリ(リニューアルで消えてしまった)などでは「JarodとMiss Parkerが老けた」ってすごい不評でした…。テレビシリーズはずっと短髪だったので、TNTに移ってからの髪型は違和感も大きかったのかもしれません。ピュアさがなくなって落ち着いた感じになってたからね。私も一番好きなのは短髪だけど、でもこの映画最後の方の少し長くて分けてる髪型のJarodは大人っぽくて好きでした。性格は落ち着いていてこの時が一番好き。単に私も年取って好みが渋くなっただけかもしれないけど。笑。もちろん初期も中期も後期も全てのJarodが好きだけど。

The Pretender: Island of the Haunted

けどまあ、この頃になるとおっさんくささが隠せなくなってきて、脱走シーンの回想でも、囚人服?みたいな服とか、無垢な役とかさすがにきつくなってきていたので、卒業が妥当ってことだったんでしょう。

そして、12年後に小説として当時のプロデューサーによる『The Pretender – Rebirth』『The Pretender-Saving Luke』の2冊が出てます。JarodやMiss Parkerは出てきますが、ドラマシリーズのパラレルになっていて時代設定が違います。

役者…

このドラマの後も、Miss Parker役のAndrea Parkerは『Desperate Housewives(デスパレートな妻たち)』『Pretty Little Liars(プリティ・リトル・ライアーズ)』など日本でも話題のドラマにも出ています。
※『Desperate Housewives』S08E08では、Andrea Parkerの出てくるシーンでJarodがどうとか言ってる台詞もあるそうです。そしてこのドラマは、Mr.LyleやってたJames Denton(当時はJamie Denton名義)がレギュラーで出てます。だから彼の方が日本ではメジャーかも。これの日本語吹替え版をずっと見ていた友達に、彼が演じたマイクってキャラの女の振り方がひどいって延々語られました。知らんがな。笑。お返しに私が見てたドラマではアジアン好きでヤクザに親指詰められてる変態さん役だったよって教えときました。

主人公Jarod役のMichael T. Weissはテレビドラマの他に映画や舞台にも出たり、声優としても活動してますが、今のところ日本で話題になるようなドラマには出てません。アメリカのレビューとか解説見てても、10年以上経つのにいまだに『The Pretenderの~』って呼ばれ続けてます。そして悪役やると「Jarodは好きだけどこの役は好きじゃない」とかユーザーレビューで毎回書かれてる。ひどい。その後は悪党や犯人役や、とんでもない役が多いのも、Jarodが当たってしまってずっとそういう優等生キャラを期待され続けた反動なのかもと思ったり。でも私はどんな役でもずっと好きです。この先もずっと応援していきます。てかむしろ悪役好きとしては、もっとオラついた役でもいいくらい。←アホ。

すべてはJarodの成長物語

さてアイスクリームも知らなかったJarodがTV版最後にはお風呂でイチャイチャしながら恋人の足舐めるまで成長していることは最初にも書きましたが、シリーズを通して外界を知って学習するうちで性格も変わって行きました。初めのピュアさはなくなって、だんだんうざくて調子に乗ってて性格悪い(おい)キャラになってたような…。私は彼の陰があって可哀想で守ってあげたくなるような(笑)ところに惹かれたのに、可哀想な過去を逆手に取るようになり、ふてぶてしくなってった…。たくましく成長したって褒めればいいのか?笑。見た目は最初からごつくてたくましかったけど。

ドラマの演出もありますが、謎を伝えるのにいちいちグッズや暗号化でクイズ形式にしてたり。数回に分けてヒントを送ってくるとか。Miss Parkerに母の秘密を教えてあげるのにも小出しにして、まずは手紙を渡して最後に指輪も送って、電話してきてたりとか。「まとめて出せよ!」と私が彼女ならキレてます。よく言えば少年の心を持ってるキャラってことですが、何かと演出過剰で身近にいたら鬱陶しい男だと思います。。。サプライズ好きでマメでピュアで強くてマッチョって言い方すればアメリカ人の理想のヒーローなのかもしれませんけど、私は普通に日本人なので、映画版最後のノーサプライズで落ち着いた『大人なJarod』が一番好きです。

Jarodの演技もシーズン1から見ていくとどんどんくどくなってます。←これ誉め言葉です。Jarodが悪役を追いつめる時の劇中劇っていうかわざとらしい芝居がTV版定番のクライマックスでしたが、最初の頃は溜めとか強弱が今ほどなくて割とあっさり目です。と言っても他の俳優と比較したら元々濃い演技だけど。最後の方はうざい性格もあって、たまに正義の味方ぶりが鼻につくキャラになってます。問題発言。それもあって私は映画版の(略)

まあこのドラマ以外でもMichael T. Weissは結構、芝居がかった演技する役が多いのですが、ファンとしてはそのくどさも好きだったりします。見慣れると普通の演技じゃ物足りなくなるというか、濃い味に慣れると薄味じゃ物足りなくなるっていうか…。『濃くてくどくてカッコいい』の3Kが彼の魅力です――って私は何を書いてるんでしょうか。。。

シリーズ中には何人かと恋仲になりましたが、逃亡してるから仕方ないとはいえJarodって何気に浮気性です。初めての相手(笑)シーズン1のNiaは待たせてそのままだし。クロスオーバーとはいえ、シーズン4のZoeとの間にRachelともやってるし。きっと画面に映ってないところでも別の相手と…。いつも「子供の頃にさらわれた」「家族を探してる」って不幸話で同情を誘って女を釣るのもいただけません。笑。。。まあメインキャラ同士の関係(この場合JarodとMiss Parker)は曖昧にして引っ張りつつ、彼らをゲストキャラと恋愛させるってのはアメドラでよくあるパターンなのでこういうものかもしれませんが、この軽さもアメリカンなのかなあと思ったり。私はあちこちで女をひっかけてるチャラい男より、本命一途な方が好きです。ええ、真面目な日本人ですから。→だから、次ページの下でも書いてるけど、Jarodより一途なPeterとかJamesが好きよ。ってそれ誰だよ?別のドラマのキャラです。。。しかもJamesは一途って言っても妹のストーカー…。

 
Jarodは正義の味方なので、彼の仕返しも(滅多に)命は奪いません。毎回出てくる犯人役にもそうですし、主要メンバーに対しても同様です。そのせいでMr.LyleやMr.Rainesに何度も追われてピンチになってたり、もどかしい面もあったりしました。一方で毎回の犯罪を暴くためにどこかへ潜入する時に悪人がやってきて捕まった!とか、計画失敗でピンチ!なんてことはありません。天才プリテンダーだから。約一名変態さんがいたり、たまにラブシーンはあったものの、視聴年齢制限もなくて、バイオレンスやグロいシーンもないので安心して見られるドラマでした。

天才なのに毎週Miss Parkerたちに見つかって追われてるのかよ!ってツッコミもありそうですが、それは実はJarodが真実を求めるために、あえて彼らの前に姿を見せているという設定になってました。そうでなければ完全にプリテンドして地下に潜ってしまって見つからないらしい。Sydneyがそんなこと言ってたよ。

そして彼はいつも逃げてるので、Miss Parkerと直接会ってるエピソードは映画版含めて10エピソードだけで、他は電話とすれ違いでした。どちらもほぼ毎回出てきてるメインキャラなのに、もうちょっとのところで逃げられるその距離感がくっつきそうでくっつかない二人の関係にもつながってました。

きっと今もそうやって二人は追われ・追いかけながら、それぞれの真実と幸せを求める旅を続けているんでしょうね。

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