[2017] Sunset Park

日本語タイトル

なし

役名

Duane Dutra

帰ってきてくれてありがとう!

Sunset Park

声優や舞台やディレクターなどの活動はしていたようですが、テレビ・映画俳優としては数年ぶりの新作です。まずはMichael T. Weiss本人に画面に戻ってきてくれてありがとうと言いたいです。個人的には空白の間も古いDVDを入手したりはしてましたが、彼はソーシャルメディアとかやってないしWEBサイトも持ってないので本人からは全く発信しないし、この映画の情報がIMDbに出るまではニュースも全くなくて、日本にいると英語wikiで生存確認くらいしかできなくて、ちょっと心配してました。ただファンサイトの人たちが普通に更新してたので「何もないんだな」というのも分かって、そういう意味では安心できてました。向こうのファンの人たちもありがとう!とこれらを日本語で書いても意味ないという…。

そしてDigital Platformで11/20に配信という記事を見て、Amazon.comとAmazon.co.jpを日本時間の20日から連打しまくる私。当然アメリカ時間ですのでフライングです。そしてアメリカ時間になってAmazon.comに配信されましたが、今度は立ちはだかる国の壁。


アメリカ以外の住所とクレカの登録先には売りませんて言ってます。いわゆる『おま国』ってやつです。お前の国には配信しないってそういうやつ。英語では『Geo-blocking』って言うらしいよ。Amazon.comからもDVDとか買ってるのにひどいー!日本のAmazon.co.jpで見てね、って日本には配信されてねー!待ってもきっと配信されなさそーだし!

しかしここではめげません。配信は『iTunes, Amazon, Google Play, Microsoft Store,~~』となってましたが、iTunes・Google・Microsoftとか日本でも配信されてるやつはAmazonと同じなので駄目。どれも日本語サイトには新作アップされてなくて英語サイトにはあるけど日本からは購入不可。対策もきっちりしてます。

※日本国内向けに配信してるところは、公開時に日本語の字幕か吹き替えをつけるので、その分遅れます。それはまあしょうがない。でもそれ以前の問題としてAmazon.comとAmazon.co.jpもそれ以外のとこも、外国映画の配信数自体が全然違うという…。待ってても入ってくるか分からないと。

ということで、ここで海外ユーザーを想定してなくて対策がザルそうなアメリカ国内だけのプラットフォームを狙います。しかしここもアメリカIPじゃないと、アカウントのログインすらエラーになりまくると言う。それに気づかずログインできないのはなんでだって30分パスワード再設定しまくりました。クレカもアメリカの州を聞いて来たりするし。日本てアメリカの州じゃなかったっけ?なんてとぼけても選択肢にありません…。

数年ぶりの新作が目の前にあるのに、あきらめられるはずありません。ごにょごにょして購入しました。というわけで、苦労してようやく見るとこまで行きました。もうこの時点で嬉しくて泣きそう。国境突破してますが、一番高いハイクオリティ映像の購入をしてるので許してください…。DVDも出たら買いますから!←金に物言わせる日本人…。

※2017/11/22追加。
他の国でも見られないそうでファンサイトの人が監督に直撃してくれた結果、海外配信は通常でも3ヶ月くらいの遅れが出るとのことで、アメリカ以外の国ではおそらく来年春に公開されるそうです。自分だけ見てしまった私と他の人のために聞いてくれている人の器の差が出ました…。

※2019/2/10再追加。
1年以上経ちましたがまだ世界配信されないどころか、公式Facebookの更新も途絶えてます。問い合わせても返事来ないし…。色々難航してるっぽい。グロシーンがアウトなのか?先に見ててよかった。←薄情。DVD出してください。

爽やかボクシング映画…じゃなかった

さてこの物語はブルックリンが舞台です。タイトルにもなってるサンセットパークは主人公が後にトレーニングしてたりで出てくる公園であり物語の象徴的な場所と。Michael T. Weissは映画開始1分くらいで父親Duane役で登場してますが、だらしなく寝てるシーンから始まってます。小さな息子Ginoが学校に行くのをおじいちゃんが世話してますが、起きてくるなりそこに絡んでてロクでもない男といきなり分かると言う。その後は工務店の奥みたいなアンダーグラウンドな店で飲んでタバコ吸いながら競馬やってスッてます。

今回はヒゲモサモサですが髪型普通で渋いです。事前に公式で貼られてたキャプチャーは10年後の姿の方で老けてましたが、現在の姿は意外と若くてびっくりです。数年ぶりに見るから覚悟してたけど普通に格好よかったです。

でも役柄はクズです。ツケで違法競馬でやってカモにされて熱くなって負けて次のシーンでは家に逃げ帰って有り金全部持って逃亡してます。おじいちゃんには学校行ってる息子Ginoの責任持てとか言われてますが、ここにいたら殺されるって振り払って自分だけ…。サイテーです。その後、怖いお兄さんたちが取り立てにきてます。

息子の借金はお前の借金だって言われて、結局借金はおじいちゃんが返してるみたい。Ginoは友達にも父ちゃんが金持って逃げたとからかわれてました。そしてボクシング始めますが、おじいちゃんは昔チャンプだったなんて話もあり。おじいちゃんは孫に勉強教えて学業で立派になってもらいたかったみたいですが、この借金のせいで方向転換してボクサーを目指させてます。

ここでいきなり10年後。Ginoがいきなり大人に成長してMichael Trevinoに変わってます。てか彼が今回の主役です。

逃げてる父ちゃんDuaneは相変わらずクズですが、10年経ってるのでヒゲと髪の毛が白髪になって老けてます。私は普通はヒゲはない方が好みですが、今回の役にはこのヒゲは欠かせないかなと思ったり。ヒゲないと貫禄出ないし、ホームレスになってたりとかだらしないのとかリアリティ出ないよね。バーでも恩を仇で返して金盗もうとしてボコられて車でどこかに捨てられてました。ひど過ぎる。

その頃のGinoはおじいちゃんのために、悪友を頼って地下の賭けボクシングに出て素手で殴り合いして大金稼いでたりしてます。その金見つかっておじいちゃんには諭されてます。フルタイムの仕事見つけるからとか言ってて素直です。父親が反面教師です。

彼はランニング中に韓国系の店から出てきた美女(Jamie Choi演じるJessica)とぶつかって卵割れちゃってごめんて謝ってます。彼女が名前知っててなんで?てとこから恋に発展してますが、子供の頃にいじめられてた彼女を助けてあげたんだって。おじいちゃんの恋愛指南通りに彼女を誘ったりお花あげたりしてます。オペラ聴いたりパスタ食べてて多分イタリア系設定のおじいちゃんはイタリア語の口説き文句も教えてくれてます。そしてそれを真似してる孫。Michael Trevinoてリアルでも韓国系の彼女と付き合ってるって何年か前にゴシップで出てたよね?とか思ったり。(もう別れているそうです…。)女優さんのJamie Choiの方は英語・韓国語と日本語も上手らしいよ。羨ましい。

その後はおじいちゃんが!とか、爽やかボクシング映画かと思ったらグロあるしマフィア映画かよ!みたいになってますが、最後は主人公は彼女と寄り添ってました。

ということで。いつもDVDで買って見てるので配信から数年経ってるってことでガンガンネタバレしてましたが、今回はさすがに配信初日に全部書いちゃうのはどうかということで、後半は省略です。詳しいところは見てね!と。

  

さて、上でも書いたように今回のDuaneはダメ男でクズな父親でした。自業自得なことしてあちこちで殴られてたり、10年経ってのこのこ出てきて、Ginoにも殴られたり息子って呼ぶなって言われたりしてました。ずっと右腹押さえてたので飲み過ぎで肝臓もやられてるようです。最後はちょっとだけ息子のために頑張ってたけど、そこでも明らかに嘘っぽいその場しのぎのフォローしてて、小物ぶりを発揮してました。でもクズでダメ男で自分の保身で逃げたりしてるのに、息子のことも気にかけてはいたりして、情がないわけではないという点が完全な悪人ではなかったと。

You ever stood at the edge of a cliff? And you never seen the bottom?
I’m standing at the bottom, Gino.

一方でSam DouglasとJohn Biancoの演じる悪役コンビがまじコワイ。特にSam Douglasがヤバイ。飛び道具使うし全然フェアじゃないしグロイし容赦ない悪党です。まあ悪党がルール守るのは日本の映画だけだよね。この人たちを前にしたら、逃げ回ってるDuaneなんてただの雑魚。普通の枠の中からドロップアウトしただけの人と、枠飛び越えちゃってる本物の悪党じゃ次元が違うって感じ。

映画自体の感想で言えば、カタギじゃないのも含めてやたらとガタイのいい濃いおっさんだらけのバイオレンスな映画だったなという感じ。唯一の美女が主人公の彼女と、怖いおっさんの愛人とかモブにいたギャラリーくらい。というわけで男臭い映画でした。

カッコイイにもいろいろある

さて日本で『The Pretender(ザ・プリテンダー 仮面の逃亡者)』が放映されたのが1997年。私がMichael T. Weissのファンになってちょうど20年です。役者も当然年取りますが、うら若き乙女だったファンもババアになってますからお互い様です。その上で、私はファンなので当然、目にフィルターかかってますが、カッコイイにもいろいろあると今回しみじみ思いました。

若い頃は問答無用にハンサムでカッコよかった。ハンサムで若い俳優ってそれだけでアイドル的な人気も出ます。私も昔のDVDを見る時は彼が出るたびキャーキャー言いながら拝んでます。←ハイ、私はアホです。この20年、成長してません。

50代半ばになった今もハンサムですが、年取ってくると若い頃より渋くなって、役柄も主役じゃなくなるかもしれないけど、悪役のボスとか黒幕みたいな役もできるようになります。アクションやサスペンスとか好きじゃない人には悪役って駄目かもしれませんが、私は悪役のが好きなくらい。そしてこういう役は若い頃ではできませんから、落ち着いてきて貫禄が出てきてからのが決まります。

そして年取ると若い頃より、思慮や分別が必要だったり、それがないことが欠点になる役(今回)みたいな役もできてきます。若ければ無知で向こう見ずもありだけど、年を重ねると人間の器が必要になるわけで、そういうのを演じるには、やっぱり渋くないと決まらない。

若作りしてていつまでもモテを狙ってる軽いオッサンにはノワールの悪役はできないわけで、役者にも年相応の深みは必要だと思います。て、本人はノワールを目指してるとは一言も言ってません。私の好みなだけです…。

俳優さんてやっぱりその時々の年齢でしかできない役ってあると思うし。そしてファンとしてはそれを追いかけられるのが同じ時代に生きててよかったって思います。この先ももっと年取っておじいちゃんになっても彼は多分カッコいいと思う。

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