[1995] Remember Me

日本語タイトル

殺意の迷宮

役名

Scott Covey

オープニング・クレジットで分かっちゃった…

Mary Higgins Clark's Remember Me

このドラマは大昔、VHSビデオの日本語字幕版があったそうです。その時のタイトルは『殺意の迷宮』。でもレンタルメインだったそうで劇場未公開でDVDにもなってません。仕方ないのでアメリカのDVD版を見ようとしたら――

DVDはAmazon.co.jpで何故だかプレミアム付いてるんです。20,000円もするよ!中古ですら15,000円とか。『BONES』なんて500円なのに40倍ってなんでだよとかホラーと比べてみたり。主役Kelly McGillisが『トップガン』とか『告発の行方』に出てた有名女優さんだから?なんでだか分かりません。

しばらく値段下がらないかチェックしてたけどあきらめてAmazon.comの中古を買いました。そっちでも送料込みだと6,500円くらいして高かったけど、それでもまあ日本の1/3だしと。そしたらプチプチに段ボール補強に透明テープでぐるぐる巻きと海外の業者さんではありえないくらい丁寧で厳重梱包して送ってくれました。あっち下手すると封筒にそのまま入れて送って来たりするもんね。

そんな経緯でようやく手に入れたDVDですが、原作はアメリカの女流作家Mary Higgins Clarkです。サスペンスの女王らしい。原作は1994年発行で、このテレビムービーが1995年。本が出てすぐに撮影されたようです。ちなみに原作小説の方も『リメンバー・ハウスの闇のなかで』というタイトルで過去に翻訳されています。

と長々書いたところで、早速、DVDをセットします。主演Kelly McGillisの名前、そしてタイトルクレジット、続いて夫役のCotter Smithの名前、そしてMichael T. Weiss。三番目にクレジットされてるよ!そんないい役なのかな?と期待しつつ見ます。

車に子供を乗せた母親が気を取られた瞬間に踏切で事故に遭います。息子を失った母親Menlyはショックで精神病院に入院したりもしてましたが、2年後に娘を産み、作家としても立ち直り始めます。彼女は夫Adamと共に、夫の故郷で『Remember House』という古い家を借りてやり直そうとしています。その家は子供を失った女がバルコニーから身を投げたといういわくつきの家で幽霊が出る噂がありますが、彼女たちは信じずに引っ越してきます。けれど落ち着いた頃、彼女はその家で、失くした自分の息子の泣き声を聞いたり身を投げた女の幽霊を見るようになり――というのが大きな流れです。

ホラーとサスペンスと魔性の男

さてMichael T. Weissは、Adamが元彼女で不動産屋のElaineと家を見に行った後に通りかかった海岸で警察と共に登場します。打ち上げられた妻Vivianの遺体を見て泣いている夫Scott Covey役です。短髪ヒゲなし爽やかで、カットソーにジーンズの普段着ファッションだけどどこから見てもカッコいい。野次馬は、彼は結婚したばかりの資産家の娘である妻が死んだおかげで5million dollarsを手に入れたとか言っていて(5億円?!)Elaineと言い合いになってます。

ElaineはScottを信用していて彼はいい人だと擁護してます。更に妻殺しの容疑をかけられた彼に弁護士であるAdamを紹介し、主人公のMenlyとも会わせてます。Menlyは息子の事故の時に警察にいい印象がなかったことからScottに同情し、Adamに彼の弁護をするよう促してます。この時Scottはベージュのスーツ着てますがやっぱ爽やかでカッコいい。

Adamとの打ち合わせでScottは妻の死はダイビング中に溺れて行方不明になって死んだ『事故』だと主張してます。二時間も探したけど嵐になって切り上げたとか。妻を愛してるとか。その一方でTinaという別の彼女がいた(けど愛してない)ことも打ち明けてます…。

物語は進み、死んだ息子の声を聞いたり、ぬいぐるみの位置が変わっていたり、地味な異変に憔悴していくMenly。家のいわくを語る隣人の老婆もおどろおどろしい。そうこうするうちElaineと夫との関係を疑う事態が出てきて夫とケンカが始まったりもしてます。泣いて以前住んでいた町のカウンセラーに電話したりしてます。夫は情緒不安定なMenlyを再度、病院へ入れようともします。

ScottもAdamのクライアントとしてMenlyと仲良くなっていきます。警察の不意の家宅捜索で慌てて弁護士を呼びに来たScottをMenlyが励ましたり、夫と元彼女Elaineが一緒に過去のビデオを見たり親密になって自分を病院へ入れようとしていると取り乱しているMenlyをScottが励ましたり、お互いに励まし合って、互いを友達だって信頼するようになっていきます。

でもここで見ている側の違和感が大きくなっていきます。彼はあくまで脇役で、三番目にクレジットされるようなメインキャラじゃないんです。Menlyと夫と元彼女の関係の方が物語の主流だし。てことは裏返すと三番目に来てる理由ってアレしかないよねと。

警察はずっとScottの妻殺しを追ってますが、そっちは物語の本題じゃない。で、そうこうするうちScottはカリフォルニアへ行くとMenlyにお別れを言いに来ます。ここで確信。動機は分からないけどとりあえずMenly家の異変も彼が犯人だろと。今去ったらますます影が薄くなる。こっそり戻って来るんだなと。ちなみに別れ際にScottは振り返って投げキッスしてます。違う意味で殺しに来てます…。バタリ。←私が倒れた音。

その後は、彼がMenlyの家でもらった写真を大事にすると言っていたのがガレージのゴミ箱で発見されてます。警察がそこに写るボートを調べて、妻の死の際に嵐で探索できなかったと言ってたのが嘘だという証拠と確信づけてます。

嵐の晩にMenlyは階段沿いに張られた配線を辿って隠された地下室を発見します。そこで赤ん坊の泣き声のセットされたデッキを見つけ、幻聴や幻覚が人為的なものと気づきます。そしてScottがやっぱり犯人で現れます。銃構えててカッコいい。ぬるい役よりやっぱ悪役とかアクションのがいいよ!なんて画面見て喜んじゃう。このページで何回カッコいい言ってんだって言われそうだけどカッコいいんだもん。

しかし争う前からまた豪快にシャツはだけてます。今回もボタン4つも外してるけど、こんなんじゃシャツが邪魔で腕上がらないし、アクションシーンには向きません。犯人なのにあえてこのカッコって、やっぱこれファンサービス?ただのアメリカンファッション?日本ではこんな格好してるのチンピラくらいだよ。私が彼のママだったらちゃんと留めなさいって言ってるところです。

Remember Me

もみあいになって、Menlyに銃奪い返されて殴られて「足折れたかも」なんて言ってたり、木片でぶん殴られてたりもしますが、カッコ悪いシーンもカッコいい。しかしアクションシーンは演技だから実際に殴られてるわけじゃないのは当然分かってますけど、何度も彼の顔殴るのやめて!と女優の方じゃなく俳優の顔の心配をする私…。だってMenlyったら三度も彼の顔ヒットしてるんだよ。うち二回は木片で。やめてー!

彼の動機は、妻殺しの件でAdamの元カノのElaineに脅されたからだって。最後は強引にバルコニーへ連れてって落とそうとしたところで突き飛ばされてバランスを崩して、自分が落ちてました。Adamに未練があってMenlyが邪魔でScottを使って彼女を殺そうとしてたElaineも警察に逮捕されて、Menlyたちが引っ越して――バルコニーに本物の幽霊がいるところで終わり。

今回のScottは、結婚前は貧乏船乗りだったのに完全に金目当てで資産家の娘の家に転がり込んで逆玉婚して新婚三ヶ月で妻殺して大金ゲットしてるし、愛人いるし犯人だしで悪いキャラなんですが、Menlyたちの前ではとにかく爽やかでカッコいい。腐った私の目にはそう見えてるだけ――ってわけじゃなくて、本当に好青年役なんです。Menlyも同情しちゃってたし、夫のAdamも無実を信じて擁護してるし。それが犯人だから意外ってことなんでしょうが、あざといくらいの爽やかさは、展開が読めていてもやっぱり釣られてしまう。まあ男女逆なら財産狙いの美女とか後妻業とかよくある展開ですが、どちらにしてもハンサムだからこそできる役で、こういう悪役も素敵です。

  

さてこれAmazon.comのレビューで結末が原作と違うと書いてた人がいましたので、翻訳版の小説ももしかしたら最後が違うのかもしれません。私はDVDしか見てませんが(そして彼のシーンばかり見てますが…)、物語的には全くネタバレ要素ないです。あえて言うならScottがカリフォルニアへ行くっていうのがわざとらしいのと、証拠写真の捨て方が雑すぎる?

犯人知ってから見てみたら、最初にElaineがScott擁護してAdamが弁護するよう仕向けてたり、Scottの妻殺しの証拠の写真をMenlyに贈ったのがElaineだとか、伏線はありました。上で書いたやたら爽やかキャラなのもわざとらしい。でも私も彼の名前の順序を気にしていたからすぐに分かっただけで、別の俳優が三番目にクレジットされていて犯人だったら多分、気づかなかったと思う。てかパッケージ写真や話の筋から考えても、Elaine役の人の次の四番目に出てきてれば自然だったと思います。些細な違いだけど。

そんなわけでクレジットのおかげで物語よりオチが先に読めてしまったわけですが、そんなんどうでもいいくらい彼は爽やかでカッコよかったです。6,500円の価値は充分にあります。さて私は何回、カッコイイと書いたでしょう?

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