日本語タイトル
ハウリング IV
役名
Richard Adams
1980年代アメリカンファッション…
ホラーです。残虐シーンが少年犯罪に影響を与えるとかいって、テレビではスプラッタ系のホラー映画もクライムアクション映画もほとんど見かけなくなりましたが、13日の金曜日とかゾンビ映画とかホラーが流行った時代もありました。そんな時代の一作です。
Michael T. Weissは二番目に名前が来てるよ、準主役だよ!というわけで。出番は多いです。
主人公でありヒロインのMarieはベストセラー作家。近代的なビルのエレベータに乗り込むところから始まります。一緒に乗り込んだシスターが消え、その幻覚を見るところからホラースタート。
倒れて入院したところへやってくるのが彼。夫Richard役です。若くてかっこいい。けど、けど……、当時流行った長髪パーマにヒゲにジーンズにシャツインという「ひー!」なスタイルで登場します。1980年代のアメリカンスタイルです。ワイルドです。よく見るとMarieのパーマも前髪すごいです。
みんなスーツとかキッチリなのにRichardひとりだけカジュアルです。もしやベストセラー作家のヒモ設定なのではと疑いつつ見ていると、医者はRichardに、本を書くとか言ってる場合じゃない、妻を静養させろと諭します。
そしてMarieが向かったのはLAから車で数時間の田舎の別荘。ホラーの舞台に相応しい森の中の小屋です。ここで彼女は車で送ってくれている出版社のTomに、夫Richardは先に行ってるとか、でも休暇途中で彼は重要なデザインの仕事があってLAに戻るだろうとか言っていて、Richardのヒモ疑惑は消えました。平日ふらふらしててカジュアルファッションなのはクリエイター系だったからねと。疑ってごめん。
Marieたちが別荘に着くとRichardはTomをあからさまに邪険にして追い払います。そして次のシーンはベッドの上。要するにお邪魔ってことで…。けどそんな時も窓の外からオオカミか何かが吠える声が聞こえてきてヒロインMarieは怯えます。
さてMarieはPierreって名前の可愛いプードルも連れてきました。ホラーで子犬って、出てきた瞬間「食われ役じゃん」と誰もが思うわけですが、この子は森の中で行方不明になります。
が、心配して探す彼女に夫が言うのが次の台詞。
He’s probably out in the woods chasing rabbits or chipmunks or something.
The woods are heaven to a house dog.
犬なんだからウサギとかリスとか追いかけてるだろ。森は犬にとって天国だよ、みたいな感じ?うーん、プードルって一応、猟犬なんだっけ。全然心配してないのが分かります。けどこの子は小さくてウサギにすら負けそうです…。後にやっぱり無残な姿になってたし。
予定通りに夫が仕事で街へ戻っている間に、Marieの小説のファンという女性Janiceが来て話をします。ミザリーパターンかと思いきや、この彼女は金髪白シャツで十字架のネックレスをしていてあからさまに善人役です。ぶっちゃけネタバレすると夫よりずっと役に立ってます。
Marieがシスターの幻覚の話をすると、Janiceは自分の友達のシスターが行方不明だと言い出して、写真を見せる。あの幻覚の彼女だ!と、偶然重なりすぎなホラーのお約束パターン。
MarieとJaniceが話すうちにどんどんそういう真相が出てきて、帰ってきた夫から見ると静養しに来たのに妻のお病気は悪化してます。
その後はドラクエに出てきそうな田舎の商店街や、その一角にある16世紀の鐘のいわくとかも出てきたりで、あからさまに伏線を引いてくれちゃってます。
Richardはヒマなのか猟銃でウサギを狩って持って帰ったりします。ひー、ワイルドすぎる。ニコニコ笑ってるMarie。アメリカの奥さんは旦那さんが血まみれのウサギを仕留めてきても、にこやかに捌いて料理してくれるんでしょうか。昔、うちの母が新巻鮭に発狂して父に捌かせていたのを思い出しましたが、ウサギって血抜きとか毛を毟るとかもっと大変そうじゃん。せめて切り身にして持ってきてほしいよね。その後、明日はチキンを撃つとか言ってるRichard。ワイルドすぎて無理…。
さてそんなある晩、商店街に買い物に行くついでに飲んでくるとRichardは一人で出かけます。アメリカってドラマ観ると、普通に飲んで運転してるよね。法律どうなってるんでしょ。なんて言ってる間に、酔って雑貨屋の見るからに怪しい姉ちゃんの店へ。この雑貨屋の姉ちゃんは黒づくめにトゲトゲアクセであからさまに悪役ムードだったりします。
そしてまさかの不倫!ホラー的には引き寄せられたってやつね。フォロー。姉ちゃん上でノリノリです。どうでもいいですが画面が狼男になる前から狼男みたいです。何言ってんのって感じですが、要するに髪とかヒゲとか胸毛とか…。やっぱそういうキャスティングなのかなぁと思ったり思わなかったり。
その後、買い物袋を手に平然と帰宅するRichard。(最初から買い物って言ってたけど)浮気隠しに甲斐甲斐しくフォローする男みたいに見えます。
二度目の浮気の時は途中でオオカミの化け物に変わった黒づくめの姉ちゃんにガブリとやられます。血まみれで帰った夫を見て、Marieが迫る危険に気付きTomとJaniceに助けを求めます。
食われて仲間になったRichardは、やってきたTomをガブリ。Tomは最初から妻に気があるみたいで気に入らなかったってのも伏線です。その後はまさかのドロドロ液状化で溶けたりしてホラー全開に。そして化け物一味に加わって。ひー。
結局、町の人みんなオオカミの化け物だってオチで、MarieとJaniceが鐘のいわくを再現して退治する――と。変わり果てた夫に呼びかけてるとこで、きゃー!エンド、みたいな。
今の時代に見るとチープなホラーですが、怖ろしいのはこれがシリーズものだったってこと。それぞれ別の主人公に別の場所の設定ですが、六作あってそのうちのこれが四作目だったそう。そんなのが売れた時代ってことです。今となっては一作見ただけでお腹いっぱいです。けど突っ込みどころ満載で面白かった。大昔に日本語版のビデオはあったようですが、今はなくて北米版のDVDのみです。英語+(英語も)字幕なし。