日本語タイトル
なし
役名
Joe Haskell / Peter Bradford
早く人間になりたい吸血鬼の物語…と思いきや、美男美女の悲恋の物語?!
『Dark Shadows』は元々は1966年~1971年までアメリカで放映されていたゴシックロマン・ソープオペラTVドラマシリーズです。アメリカでは著名人でも子供の頃に見て影響を受けたという人が大勢いる古典ドラマのようですが、全1225話とエピソード数がとても多いこと、古い時代のものなため当初の制作会社の再編でシンジケーションされたり、また録画テープの保存自体も完全でなかったりして再編集されたものもあり、全エピソードの再放送すらなかなか難しかったようです。それでもファンの抗議などもあり1992年~全再放送され、今はDVDも出ています。全131枚…。
それのリバイバルが今回の1991年版になります。
この1991年リバイバル版も最初は人気があったそうですが、湾岸戦争の特番で放送時間が何度も変わったせいで視聴率が下がって、シーズン1の全12話で終わってしまったそうな。クレーム7000通以上も来たって英語wiki等にありました。Amazon.comのレビューでも湾岸戦争湾岸戦争(Gulf War)書かれてます。日本はよく平和ボケしてるって言われるけど、いくら戦地は遠いとはいえ、自国の戦争よりもTVドラマの続きって――アメリカのが平和ボケしてるじゃん!とか思ったり。。。まあ日本だと有事の際には『自粛』『不謹慎』ってドラマどころじゃなくなりそう。
後の2004年にも別の配役で再度リメイクの話が出て、TV版のパイロットは撮影されたそうですが、これはそれで終わっています。
更に2012年には映画版『Dark Shadows(ダーク・シャドウ)』というものもJohnny Depp主演で出ています。これは日本でも公開されてます。(他にも大昔1970年代に『House of Dark Shadows(血の唇)』『Night of Dark Shadows』って映画があったそうです)
ちなみに『2012年映画版』のレビューなどを見るとコメディと書かれていましたが…?、『TVシリーズ』の方はシリアスです!初代とリバイバルもいくつかキャラや設定の違いはあるそうですが、映画版は更にいろいろ違うのかもしれません。
とまあ、いろいろとバージョンがあってややこしいですが、それだけアメリカでは人気の物語ということで。他にも小説や漫画なども過去には出ていたようですし、オーディオドラマ(ラジオドラマ)版なんてものもあるようです。
Michael T. Weissが出ているのは今回の1991年リバイバル版のみなので、私はこれしか見てません。そして今回私が買ったのは『Dark Shadows: The Revival – The Complete Series』ってDVDで、これはリージョン2です。Amazon.comから買いましたがフランスの業者さんの出品でした。ヨーロッパと同じく日本もリージョン2でそのまま観られるのでOKってことで買ってます。他にもリージョン1の北米仕様が出ています。どちらのDVDも中身は英語で(英語の)字幕もなし英語CCあり。
でもホラードラマのせいか、みんなオーバーアクション+台詞ハッキリ言ってるし、だいぶ聞き取りやすいです。ただし登場人物の設定によってアクセントが違ってたり言い回しが古かったりしてます。(※2018年追記→最近になってDVDにクローズドキャプションがついてることを発見しました…。彼のシーンだけ編集して見まくってたせいで10年以上気づかなかった。もう暗記するほど見たから今更字幕いらない。笑。)
この下の行からはもうネタバレ全開です。
主な登場人物
・Barnabas Collins(主人公。200年前にヴァンパイアになり婚約者Josetteを失い封印されていたのが蘇った)
・Victoria Winters(ヒロイン。愛称Vicki。孤児でDavidの家庭教師。Josetteの生まれ変わり)
<現代・1990-1991年>
Collins家の人々
・Elizabeth Collins Stoddard(女当主)→娘がCarolyn Stoddard
・Roger Collins(妻はイギリスに。Maggieって娘と不倫中)→息子がDavid Collins
・Daphne Collins →恋人がJoe Haskell(※これがMichael T.Weiss)
・Willie Loomis(Barnabasの封印を解いた召使)
・Dr.Julia Hoffman(女医。Barnabasの正体に気づいて彼の治療をする)
<近世・1790年>
Collins家の人々
・Josette du Pres(フランス領マルティニーク島から来た貴族でBarnabasの婚約者。Widow’s Hillで死亡。ヒロインVictoriaの前世)
・Jeremiah Collins(Barnabasの弟。Angeliqueの黒魔術でJosetteと駆け落ちしたり、兄と決闘して死亡)
・Sarah Collins(Barnabasの幼い妹。死んだ後に幽霊になって現代にも出てくる)
・Daniel Collins(Barnabasの幼い弟。Davidの前世)
・Joshua Collins(Barnabasたちの父で当主。教授の前世)→妻はNaomi Collins(Elizabethの前世)
・Abigail Collins(Victoriaの正体を疑ってRev.Traskと魔女狩りする。女召使の前世)
・Millicent Collins(Jeremiahの許嫁。Carolynの前世)
・Angelique(Josetteのメイド。Barnabasを誘惑した挙句、なびかないので黒魔術を使う。死んで悪霊になって現代にも出てくる)
・Peter Bradford(BarnabasとJeremiahの親友で、魔女裁判でVictoriaの弁護をする。Joeの前世。※これがMichael T.Weissで私の王子様☆←アホ)
・Reverend Trask(魔女狩りしてるヤバイ系の聖職者。Rogerの前世)
・Countess Natalie du Pres(Josetteの叔母で伯爵夫人。Dr.Juliaの前世)→兄がAndre du Pres(保安官の前世)
・Ben Loomis(召使。Willieの前世)
・Phyllis Wicke(家庭教師。Victoriaと入れ違いで現代へ飛ばされた)
E01-06 最初はアメリカンカジュアルですが…。
さて前置き長いですが、物語に入ります。全12話分なのでここからはもっと長いです。時代設定は1990-1991年。Collinwoodと呼ばれるCollins家にヒロインVictoria Wintersが住み込みの家庭教師としてやってきたところから物語は始まります。
My name is Victoria Winters. My journey is just beginning…
同じ頃、召使Willieが宝探しして古い棺の封印を解いてしまい、蘇ったのが主人公Barnabas Collins。彼はイギリスから来た親戚としてCollins家の人と打ち解けて、ヒロインVictoriaに一目惚れして、(元々住んでた)古い洋館を改築して暮らし始めます。Collinwoodにある古い肖像画とBarnabasは瓜二つですが(同一人物)、彼は肖像の方のBarnabasは先祖で自分はその名前をもらったと言ってます。実は彼はヴァンパイアで、目覚めるなり次々に人を襲って血を吸ってます。
最初に血を吸われてた金髪美女Daphneの彼氏Joe Haskellとして出てくるのがMichael T. Weissです。明るめの髪色でウェーブかかった髪型にヒゲちょっとで、セーター+ジーンズとかのカジュアルなアメリカンファッションです。正直、今の時代に見ると微妙に古い感じですが『HOWLING4(ハウリング IV)』よりはまだ全然抑えめです。若いし普通にカッコいいです。ハンサムなアメリカのお兄さんて感じ。て、そのままじゃんか。
でも相変わらず上半身露出多めです。やたら脱いでますし、シャツ着ててもボタン4つも開けてたりして、中途半端過ぎてモヤモヤします。他の作品でも何度かこんな着方をしてるので、多分これもアメリカンファッションなんでしょう。日本人的にはボタン留めてあげたくなって仕方がありません。だってせっかくヒゲは控えめなのに…自主規制。けど毎回脱いでるってことは需要があるんだろうなとか、文化の違いに思いを馳せたり…。白目。
なんてあほなこと書いてる間に、Joeは保安官と交代で彼女を寝ずの番するはずが術にかかって眠ってしまって、Daphneは2度目の血を吸われて死んでます。お葬式してるけど、いろいろ見えてる子供Davidが生き返ったのを見たとか言ってて、案の定、生ける屍と化したDaphneは彼氏のJoeをガブリとやってます。このDavidは謎の少女Sarahと遊んでますが、Sarahは後にVictoriaたちの前にも現れたり、自動書記で警告してきたり、幽霊と分かります。
Don’t be afraid, Joe. We’re gonna be together in a world without end…
保安官たちが十字架片手にDaphneを追い詰めて、木の杭を打ち混んで退治してるシーンはシュールです。化け物化した彼女を庇ってたり、血まみれの恋人に縋って泣いてるJoeが可哀想。主人公Barnabasも鏡に写っていなかったり銀の十字架や太陽が駄目だったりと、吸血鬼伝説の通りに物語は進んでます。
さて、最初の犠牲者女性たちの治療で呼ばれたDr. Juliaは、鏡に写らないBarnabasがヴァンパイアだと気づいて館に乗り込んで昼間の棺に十字架かざして突撃してますが、倒すのかと思いきや、血液中の破壊的な細胞を止めれば治ると言い出してます。そして普通の生活がしたくないかと交渉してます。彼を治して医学雑誌に発表したいらしい。マッドサイエンティストです。Barnabasの方は初めは半信半疑で呪いは科学じゃ治せないとか言ってましたが、彼女の自信ありげな態度を見て治療を受けることにします。
– Doctor, the curse of my existence is beyond the realm of your science.
– You would like to lead a normal life, wouldn’t you?
Ben Cross演じる主人公Barnabasは見た目も普通におっさんで正直萌え要素ないんですが、200年前に死んだかつての婚約者Josette du Presに瓜二つのヒロインVictoria(Joanna Goingの一人二役)がJosetteの生まれ変わりと気づいて、現世では彼女と結ばれようと食事に誘ったり、若くて美しいJosetteの肖像画を見せて彼女の悲劇的な人生やCollins家の歴史を語って聞かせてみたり、血は吸わずに必死で耐えつつ『早く人間になりたい』状態でDr. Juliaに無茶なお願いしてるシーンなんかを見ていると、段々感情移入してきて応援したくなってきます。
治療のおかげで200年ぶりに鏡に映るようになって嬉しくて館中の部屋に鏡を用意させようとしてたり、太陽の下を散歩してみたりVictoriaとデートしてみたり…。コスチュームパーティでJosetteの衣装を着たVictoriaにうっとりしてみたり…。
一方で邪魔する教授を襲ったり、Victoriaを口説きつつ何故かDr. Juliaにも同じこと言っててバレて(嫉妬から)違う薬を投与されたり、調子に乗って自業自得なこともしてます。結果、Victoriaとのデート中にまた牙が出てきたり200年分老化しちゃって前より悪化。開き直って金髪美女Carolynの血を吸ってヴァンパイアとして復活してます。そしてCarolynを操って裏切ったDr. Juliaを襲わせようとしてるけど逆恨みだよ…。
Blood of my blood, kin of my kin, soon you will walk with me as my partner in the night.
Dr. Juliaにも噛みつこうとしたところで、遂には幽霊Sarah(正体はBarnabasの幼くして死んだ妹)が彼の前に出てきて、「全ての事柄を変更できないのなら、Barnabasも他の人たちも――Collinwoodの全ての人たちは、永遠に滅ぼされるでしょう」みたいなことを言って警告してます。ついでに悪霊Angeliqueも復活してますが、彼女の正体が分かるのは後半。
Carolynは恋人Daphneが死んで傷心のJoeを何度も誘惑しては断られてましたが(上半身裸の彼に跨って迫ってたり…)、血を吸われてBarnabasに操られるようになってからは、Joeのことはどうでもよくなってます。で、そうなるとCarolynが気になってちょっかい出しては逃げられるJoe。Carolynのお尻触って手を振り払われてました。おい。この二人は『女から追っても上手くいかない、逃げると男は追ってくる』――って恋愛マニュアルのテンプレみたいな行動してます。
E07-12 ここからは麗しの王子様ファッションです!
Collins家の面々たちがSarahの警告の具体的な意味を知るために彼女を降霊術で呼び出そうとしていたら、ヒロインVictoriaがSarahの生きていた1790年の世界に転生してしまって、入れ違いにPhyllis Wickeという女性が過去から飛ばされてきます。
1790年の世界では現代と同じキャストが違う名前で200年前のキャラとして出てきてます。要するに前世です。Michael T. Weissは主人公Barnabasとその弟Jeremiahの親友であるPeter Bradfordとして、ひらひらレースシャツと白タイツに髪の毛リボンで結んでる近世の貴族衣装で登場してます(男性陣はみんなこの格好です。が、私には彼しか見えてない…)。
Peterはひらひらシャツをしっかり着てますから露出はないです。ウェーブな長めの髪型でヒゲもなし。しかも出てくるたびにシャツのレースの長さやデザイン違うし、ベストも上着も違ってお洒落です。そしてやたらとポーズ決めてます。ごついけど麗しい…。睫毛バサバサでもうリアル王子様です。もうずっとこの姿でいてくださいって画面に向かって拝みたくなってきます。てか拝んでます。←例のごとく私はアホです、ええ。。。けど本当にこのドラマを見てから私の中でのMichael T. Weissが演じたキャラNo.1はPeterに変わりました。Jarod?誰それ?みたいな。←ひどい。(※Jarodは彼の主演ヒット作『The Pretender(ザ・プリテンダー 仮面の逃亡者)』の主人公。私が彼のファンになった記念すべきドラマです)
こちらの世界では、Barnabasは誘惑されてうっかり手を出してしまったメイドAngeliqueの嫉妬によりブードゥーの黒魔術を使われて、婚約者のJosetteと弟Jeremiahが愛し合うことになり、駆け落ちして結婚してしまったり、追ってきたBarnabasが「売○婦」って罵ったので弟が”妻”の名誉のため決闘を申し込んだり、その結果死んでしまったり、ゾンビになった弟がJosetteを連れて行こうとしていたり、Angeliqueを殺したもののBarnabas自身も悪霊化した彼女にやられ、死んだと思ったらこっそりヴァンパイアとして復活してたりします。
Barnabasの死は父Joshuaによって隠され、彼はイギリスへ行って戻らなかったこととされ、未来に書かれたCollins家の家族史の本にもそう記されます。→身内しか知らないこの隠蔽のエピソードは、家族史が事実だとPeterたちが信じる理由になったり、裁判の際の証拠に提示されたりと、たびたび出てきます。そして最初にBarnabasがイギリスから来た話もそこにつながります。
Angeliqueは死ぬ時にBarnabasのことを「永遠に呪ってやる」って言ってますが、それが実現してこちらの世界でも現代でも、時を超えて悪霊として出てきます。Barnabasも『永遠に』呪われるためにヴァンパイアにされたようです。
I curse you, Barnabas. For all eternity, I curse you…

モニターの前にいるのはタイの”幸せを呼ぶ”ブードゥー人形です。ブードゥー違い…。
一方でJosetteそっくりのVictoriaは、今は何年?って変なことを訊ねたり、変な模様と金属のボタン(要するに洗濯マークとジッパー。1790年にはまだない技術)の妙な服を着ていたことなどから、彼女を魔女と疑っていたAbigailと聖職者Reverend Traskに、Angeliqueの濡れ衣で牢屋に入れられてしまいます。Victoriaの登場で元の家庭教師のPhyllis Wickeが消えてしまったことも疑いを深める理由になってます。
けどVictoriaがゲジゲジ眉毛のRev. Traskに問い詰められてる時には、「Do not touch her!」って言いながらPeterが颯爽と現れて彼を追い出してくれてます。神々しいほど凛々しい。
Peterは言動も王子様です。彼は普通の人間ですが、カッコよすぎて麗しすぎて見るたび鼻血が出そう。観てるこっちが出血多量で死んじゃうわ。私にとっては彼がヴァンパイア――って、相変わらず私はアホです、ハイ。
さて、その後も彼女を庇ったり、助けたりで出てくるのがPeterです。彼の本職は王子様…じゃなくて弁護士だそうな。200年後の世界から来たなんて話を打ち明けられて、驚いてたり困ったりしつつも最後は信用して、証明としてVictoriaが未来から持ってきたCollins家の家族史の本を見つけて読んだり。事件が起きるたびに率先して探索してたり、出番が多くて嬉しい。
Victoriaが魔女裁判にかけられる時にはPeterは彼女の弁護してます。見せ場もたくさんです。彼は裁判前に変なこと言うなって釘刺してますが、Victoriaはヒロインだけに真っ直ぐな性格で、家族史をRev. Traskに証拠として出された時にも、Peterが止めるのを振り切って証言台に立った挙句、20世紀のものとか正直なことを言ってしまって不利になってます。それでも「異議あり」連呼で必死で弁護してるPeterがカッコいい。てか可哀想。
けどそれで彼女に喋らせたらあかんと思ったらしく(なぜ関西弁)、次の裁判ではPeterはAngeliqueの黒魔術をCollins家の人たちに証言させてそちらから攻めようとしてます。が、死んだはずのAngelique本人が登場してきて邪魔したせいで結局負けてます。Victoriaは魔女として絞首刑にかけられることに。でもそんな時も判決前には彼女の手を握ってあげてたりして、Peterはマメで気づかい完璧すぎて非の打ちどころがありません。牢屋の中では彼女を慰めてなんとかするって約束してキスまでしてるし、ビジュアル的にも美男美女でもうこの二人が主役でしょ!
たまに舞台は現代1991年にも戻ったりしてますが、こちらの世界ではVictoriaと入れ違いになったPhyllis Wickeが自動車に脅えたり、ジフテリアに感染して死にかけていたりしています。血を吸われてふらふらしてるCarolynが気になるJoeは無視されて、こっそり後をつけて行って、Barnabasがヴァンパイアだと気づきます。保安官に言っても相手にされずに自分で倒そうと十字架さげて木の杭持って棺の前まで行ってますが、Angeliqueに乗り移られたDr. Juliaに背後から刺されて死んでます…。最初に2回も彼女のDaphneに齧られてたけど、結局彼はヴァンパイアにはなってません。
そしてまた1790年に戻ってひらひらシャツのPeterです。絞首刑を取り消すための手紙を裁判官に見せに行ったり、Victoriaに現代の治療法を教わって死にかけているCollins家最後の一人になった男の子を救おうとしてたり奔走してます。この子Danielが消えてしまうとCollins家は断絶してしまい、歴史が変わって200年後の人たちも存在できなくなりVictoriaも戻れなくなる――というのがAngeliqueの企みですが、Danielは最後に助かってます。
– There’s a man in my time. He’s very much like Barnabas. He said he was his descendant. He said he was named for him.
– A Barnabas Collins?
– Yes. I thought he was falling in love with me. What if I am Josette’s reincarnation two hundred years from now?
PeterとVictoriaの二人はBarnabasの正体やVictoriaがJosetteの生まれ変わりとも気づきます。Victoriaが死刑になるようにAngeliqueが仕向けてるのも(彼女と入れ替わって現代にいるPhyllis Wickeを最後に殺そうとしてるのも)、Barnabasの愛するJosetteの生まれ変わりであるVictoriaを滅ぼそうとしているからです。
その頃、主人公Barnabasはなにしてるかっていうと、Collins家の面々を襲ったり怯えられたりしてます。彼の愛するJosetteも、死んだはずがヴァンパイアに変わってしまったBarnabasの正体を知り、一度は受け入れ噛まれたものの、Angeliqueの幻惑もあって吸血鬼化することに脅え、彼を拒否して、家族史の記述通りにWidow’s Hillという名の断崖から身を投げて死んでしまいます。
上のPeterの手紙もBarnabasがRev. Traskを脅して書かせたものだったり、その後に無実のVictoriaを魔女裁判で有罪にしたお返しで彼を壁の中に生き埋めにして復讐してたり、一応主人公っぽいことはしてはいますが、日陰者になってしまったためヒロインとも直接関われず(元々この時代では彼が愛しているのはJosetteの方なのでVictoriaには使用人という以上の思い入れはなし)イマイチ地味な気が…。その分オーバーアクションで存在アピールしてますが…。
それでも幼い妹Sarahとの悲しい別れなどもあり、とうとうBarnabasは父Joshuaに自分を倒してもらおうと頼んでます。棺に戻って杭を打ってくれと託すわけですが、父は息子の胸には杭は打てず。棺を封印して終わります。→これが最初にWillieが開けた棺になります。
Victoria… This cannot be the end. I shall find you again. I know it.
Someday, somehow, I shall find you… I shall find you.
手紙のおかげで刑は取り消され、Victoriaは晴れて自由の身に――なるはずが、またもやAngeliqueに邪魔されて手紙は無効化されて、Victoriaは当初の予定のままとうとう刑場へ送られます。ここでもPeterは「これで終わるはずがない、(生まれ変わっても)きっとまた見つけるから、いつかどうにか必ず見つけるから、そういう運命だから」みたいなこと言って彼女を抱きしめて約束してるし、大勢の前でもキスしちゃうし、もはや弁護人って枠超えて恋愛モード全開でクライマックスを盛り上げます。
絞首台の上で首に縄かけられそうになってる彼女を泣きそうな顔で見守ってたり、しまいには処刑を止めようと駆け寄ろうとしたところで、背後から銃で撃たれて口から血を吐いて倒れてるんですがー。最後はVictoriaの名前を呼んで(死んで)るし、昔の少女漫画みたいな展開で、もう完全にこっちが悲劇のヒーローです。(凶器は違いますが彼が致命傷を負った場所はJoeが死んだ時と同じだそう)
Victoriaは首に縄をかけられて落ちる瞬間にPhyllis Wickeと入れ替わり現代に戻ってきます。1790年に飛ばされる前はBarnabasといいムードだったはずが、あっちの世界で彼がヴァンパイアだと知ってしまって、一人だけ200年前と同じ名前で同じ姿の彼がCollins家の人たちと共に覗き込んで来るのを見て脅えます。そして怖い顔のBarnabasのアップで終わり。Peterの生まれ変わりのJoeは彼女がいない間にもう亡くなってるし、ある意味救いがない…。(幻となった続編のプロットでは、Victoriaは正体を知りつつBarnabasを受け入れ、Joeも復活してるそうですが…)
そして画面のこちらへ戻って…。
物語を見返してみれば、1790年の世界に飛ばされて最初の頃に、現代へ戻るために直前の降霊術を再現しようとして、会場になっていた場所(この時代ではまだ工事中)でSarahに呼びかけていたり(この時代ではまだ生きてます)するVictoriaに声をかけて、泣いてる彼女を事情が分からないながらも慰めたり、家庭教師の推薦状を書いてあげたりしていたのがPeterですが、この初対面時から彼女に惚れていたのかもしれません。彼の方が献身的でちょっと温度差がある関係ではありましたが、生まれ変わって次は幸せになれればいいね――って、現代ではJoeは普通に別の彼女いたしー。ま、またその次の生まれ変わりで…!
というわけで、全12話中1~6話が現代で、ちょうど半分の7話~12話が近世編になっていて、物語の主要な謎は後半部分で明かされてます。主人公Barnabasは近世1790年ではJosetteやヴァンパイア活動の方がメインで一足先に封印されてしまったため、必然的に捕らわれのヒロインVictoriaの相手は弁護士Peterが担ってます。職権乱用なんのその。クライマックスは二人の世界になってました。
見る前は昔の吸血鬼ドラマか~って正直、侮ってましたけど、主人公からしてダークヒーローで勧善懲悪な物語ではないため、あっちもこっちも互いに相手を悪魔扱いしてたりオカルト要素持ってたり、吸血鬼以外に幽霊や転生や黒魔術や魔女狩りも出てくるし、過去を変えたら現在も変わってしまうってタイムリープものの定番も押さえてるし、純愛から不倫までメロドラマ的恋愛要素もあったりと、いろんな物語が絡みあって、なかなか面白かったです。これだけ満載でもオリジナル版からしたらまだまだ序盤だったわけで…。熱狂的なファンがいたり何度もリメイクされるのも分かった気がします。
何より途中からMichael T. Weissが麗しい王子様姿でほぼ主役になってるので、最後まで夢中で見てしまいました。その後もくり返し見すぎて私が現代に戻って来れなくなったりしてます。彼がフツーの服着てる方が違和感…。これ湾岸戦争で中止にならなければ、もっとずっと麗しい彼の姿が見られたかもしれないのにー。と思うと、お手紙7000通はすごく納得できました。私も今からでも送りたい!
そして最後にもう一度、書いておくと、このリバイバル版はとってもシリアスで悲恋の物語です!ホラーシーン(特に主人公Barnabasの吸血鬼演技)がオーバーすぎてギャグ化してる…って部分はあるものの、コメディではありません…。